「子どもたちと保護者が未来と向き合い、未来を自分たちの手で考える。」
私たち大人は、
子どもたちに「夢を持とう」と伝えてきました。
しかし子どもたちや若者は、
「どうせ自分たちは年金ももらえない」「経済的に結婚なんて無理」「既存の職業もAIに代替される」と未来を
悲観している若者も少なくありません。
そして、客観的に考えると
今の子どもたちが大人になる2040年、2050年の日本には、
私たちの世代がこれまで経験したことのない社会が待っています。
少子高齢化。
人口減少。
働き手の不足。
道路、橋、上下水道など社会インフラの老朽化。
自然災害の激甚化。
地域社会の衰退。
そして、AIやロボットの急速な進化による、仕事や暮らしの大きな変化。
私たちは、その未来について、
子どもたちにどれだけ伝えられているでしょうか。
そして何より、
私たち大人自身が、子どもたちと未来について話す時間を、どれだけ持てているでしょうか。
「未来補完計画」は、
そんな問いから生まれた産学官民連携の教育プロジェクトです。
目指しているのは、
未来への不安を子どもたちに与えることではありません。
未来に起こるかもしれない問題を知り、
考え、
「だったら、どんな未来をつくればいいだろう?」
と、子どもたちと保護者が共に未来を考え始めるきっかけをつくることです。
◾️教育アニメ映画「未来補完計画」
プロジェクトの中心となるのが、
2027年春に完成予定の教育アニメ映画「未来補完計画」です。
現代を生きる中学生の幼馴染が、2050年大人になった自分たちからの時空を超えたメッセージを受け取り
そこで未来の社会が抱えるさまざまな問題に直面しながら、
仲間たちとともに未来について考えていく物語です。
総合プロデュースを鈴木おさむ氏、
制作には関西テレビ放送、株式会社ロボットが参加。
全国の教育機関やPTA団体などと連携し、
小学校・中学校・高校を中心に、子どもたちへ無償で届けていくことを目指しています。
なぜ、教科書ではなく「アニメ」なのか。
それは、人の心は、
知識だけでは動かないからです。
物語に出会い、
登場人物に共感し、
驚き、悩み、感動する。
その体験があって初めて、
「これは自分にも関係のあることかもしれない」
と、社会問題が自分自身の問題になります。
未来補完計画は、
社会課題の「答え」を教える作品ではありません。
子どもたちに、
「あなたなら、どうする?」
という「問い」を届ける作品です。
映画を観て終わらない。
本当の教育は、映画が終わった後から始まる。
未来補完計画がつくりたいのは、
一本のアニメ映画ではありません。
映画をきっかけとして、
子ども同士で話す。
先生と話す。
そして家に帰り、
保護者と話す。
「2050年って、どんな社会になっているんだろう」
「今ある仕事はどうなっているんだろう」
「こんな問題が起きたら、自分ならどうする?」
「自分はどんな未来を生きたい?」
そんな会話が、
全国の教室や家庭で生まれていくこと。
そこに、このプロジェクトの本当の価値があります。
学校では映画上映とディスカッションを組み合わせ、
さらに家庭での対話、そして企業や社会との接点へと学びを広げていきます。
つまり、
「観る」から「考える」へ。
「考える」から「話す」へ。
「話す」から「社会とつながる」へ。
学びを教室の中だけで終わらせない教育を目指します。
◾️未来補完計画には、
もう一つ大切な教育コンテンツがあります。
社会の第一線で働く大人たちが、
子どもたちの「未来の先生」になる。
それが、「未来授業」です。
道路や橋をつくる人。
エネルギーを支える人。
医療を支える人。
食をつくる人。
新しい技術を生み出す人。
地域を守る人。
世界と仕事をする人。
社会には、
普段生活しているだけでは知ることのできない仕事や知識、
そして未来への挑戦が数え切れないほど存在します。
未来授業では、
さまざまな企業や各分野のトップランナーを
「未来授業 特別講師」として位置づけ、
約1分という短い映像の中で、
「自分たちの業界は、未来にどう変わるのか」
「どんな社会問題を解決しようとしているのか」
「未来のために、今どんな挑戦をしているのか」
そして、
「これから大人になる子どもたちに何を考えて欲しいのか」
を1分の未来授業として問いかけます。
商品を売るためのCMではありません。
社会で生きる大人から、
これから社会に出る子どもたちへの教育的メッセージです。
企業は社会を教える「先生」の一人になります。
未来補完計画では、
企業が持っている専門性や技術、経験、知見そのものを、
次世代に残す教育資産へ変えていきます。
「知らない仕事」を、
「憧れる仕事」に変える。
子どもたちが知っている職業は、
社会に存在する仕事のほんの一部です。
名前を知らなければ、
興味を持つこともありません。
興味を持たなければ、
将来の選択肢にも入りません。
しかし、
「この仕事があるから、橋を安全に渡れるんだ」
「この人たちがいるから、水が使えるんだ」
「こんな技術で災害から人を守っているんだ」
と知れば、
これまで何とも思っていなかった仕事が、
突然、憧れの仕事に変わることがあります。
未来授業や企業との社会接続を通じて、
子どもたちに「未来の職業」を知ってもらうことも、
未来補完計画の重要な役割です。
それは同時に、
社会を支えている多くの産業の担い手不足という問題に対する、
長期的な教育からのアプローチでもあります。
◾️大人が「答え」を与えるのではなく、
子どもたちの「答え」を社会に返していく。
未来補完計画は、
大人から子どもへの一方通行の教育で終わりません。
映画を観た子どもたちから、
「未来にはこんな仕事があったらいい」
「こんな街だったら住んでみたい」
「こんな技術があれば、この問題を解決できる」
「私はこんな2050年にしたい」
というアイデアを集めていきます。
そしてその子どもたちが考えた未来のいくつかを、
最新技術を活用しながら
短編アニメなどの形にし、
再び全国の子どもたちへ届けていく予定です。
そこに込めているのが、
「一人の子どもが描いた未来が、
誰かの子どもの未来のヒントになる。」
という考え方です。
顔も知らない。
名前も知らない。
住んでいる地域も違う。
年齢も違う。
それでも、
北海道の一人の子どもが考えた未来が、
沖縄に住む別の子どもの未来を変えるかもしれない。
小学生が描いたアイデアが、
高校生の進路を変えるかもしれない。
子どもが考えたアイデアが、
企業の新しい技術や事業のヒントになるかもしれない。
そんな、
世代や地域を越えて「未来のアイデア」が循環する社会をつくりたいと考えています。
◾️PTA・教育機関・企業・社会。
子どもの未来の前では、全員が同じチームです。
これまで教育は、
学校が担うものと考えられてきました。
しかし、
社会がこれだけ速く変化する時代に、
学校だけですべてを教えることには限界があります。
だからこそ、
教育機関。
PTA・保護者。
企業。
行政。
大学。
クリエイター。
そして地域社会。
それぞれが持っている知識、経験、技術、ネットワークを持ち寄り、
子どもたちの未来のために活用する。
未来補完計画は、
そのためのプラットフォームでもあります。
PTAには、家庭と学校をつなぐ力があります。
教育機関には、子どもたちの可能性を引き出す力があります。
企業には、社会のリアルと未来をつくる技術があります。
そして子どもたちには、
まだ大人には見えていない未来を想像する力があります。
誰か一人が未来をつくるのではありません。
それぞれの力を持ち寄ることで、
初めて未来は変えることができます。
◾️私たちが残したいもの。
10年後。
20年後。
未来補完計画を学校で観た子どもたちが、
大人になった時。
映画の細かなストーリーを、
すべて覚えている必要はありません。
ただ、
「あの時、初めて未来について考えた」
「家に帰って、保護者と将来の話をした」
「あの授業で知った仕事に興味を持った」
「あの時、自分にも未来を変えられるかもしれないと思った」
そんな記憶が、
一人でも多くの子どもの心に残ってくれたら。
それが私たちにとって、
何より大きな成果です。
未来は、
ある日突然やって来るものではありません。
今日、子どもたちが何を知り、
何を考え、
誰と話し、
どんなことに興味を持ったか。
その小さな積み重ねの先に、
2050年があります。
だからこそ私たちは、
子どもたちに完成した未来を渡すのではなく、
「未来を考える力」を渡したい。
大人が答えを決めるのではなく、
子どもたちと一緒に未来を考えたい。
未来補完計画が目指しているのは、
「未来を教える教育」ではなく、
「未来を共に考え、創る機会」の創出です。
そして、
全国の学校と家庭に、
「未来について話す時間」をつくること。
「一人の子どもが描いた未来が、
誰かの未来のヒントになる。」
その小さな連鎖が、
いつか日本の未来を変えていく。
私たちは、そう信じています。
「未来補完計画。」
それは、
未来を予測するプロジェクトではありません。
子どもたちと一緒に、
まだ誰も見たことのない未来をつくるプロジェクトです。
未来補完計画プロジェクト実行委員会